CGI・ポストプロダクション

こま撮り撮影の終わりは、ポストプロダクション作業の始まりを意味します。ドワーフは効率的にコンピューターを使用し、よりクオリティの高い映像を目指します。普通はあまり考えられない組み合わせと思われるかもしれませんが、ここが現代のこま撮りの、他の映像制作のアプローチとはちょっと違う、おもしろいところです。今日業界を見渡すとCGIが標準になっているようですが、こま撮りを専門とするドワーフのようなプロダクションも、根本的に異なったこれらのアプローチ方法を上手に組み合わせてより広い世界観を手に入れるのです。

まずは、撮影したカットの修正作業から始まります。吊り糸、つき出し棒、不要な反射を消したり、色のチェックもします。レタッチの段階では、スタッフたちは絵コンテとアニメチームが書いたカットごとの連絡表-これは撮影中にメモが書き込まれたものですが- を元に作業を進めていきます。

ここで、いよいよ2Dの鉛筆描きのスケッチだったものがアニメーションという映像になっていく様を見ることができるんです!

CGIは今まで、キャラクターのちょっとした表情や感情、そして状況説明を助けるものとして使われてきました。もちろんCGIというものは、町そのもの、景色そのもの、そして、キャラクターそのものを作ることも可能なのですが、今まではそのような広範囲な使い方は、ドワーフでは、まずなかったのです。

しかし、「PLUG, OUR NeW WORLD」のポストプロダクションでは、ドワーフはかつてないほどにCGIを使用しました。今回のCGIは、ポリゴン・ピクチュアズ、シネグリーオ、カザグルマ に協力をお願いし、CGディレクターの柳谷真宏さんを中心とするメンバーで作業を進めました。街や草原等の広い景色のスケールを手に入れるために、ためらいなくCGIを使用しています。また、走っていたり跳んだりといった動きや移動の多いシーンを撮影する際には、アニマティクスと呼ばれる簡易的なCGIのビデオコンテをガイドとし、カメラアングルや人形の動きを決めました。

また、ドワーフにとって初めての試みがここにもひとつ。CGIでキャラクターを動かしたんです。それは、プラフ。キリンのような大きな生き物です。プラフは大きすぎてアニメをするのは不可能でした。ですからドワーフはCGIでプラフを作ることにしたのです。

またポストプロダクションではループも活用しています。たとえば、プラグとランナーが走っているシーンでは、彼らのステップを数コマ撮影してそれをループさせているんです。まるでこま撮りで全部撮ったように見えるでしょう?ループのおかげで撮影時間の短縮が可能になります。

今回、ポストプロダクションでは「人が撮った」感じを出すため、映像を揺らして、手持ちカメラで撮影したような効果を出しました。プロデューサーの松本は「これはアニメーションだ、と見る人に思わせたくない」と言います。「アニメーション以上のものを目指しているのだ」と。「手持ちカメラで撮影している」ように見せると、お話やキャラクターをより自然に見せると同時にそれらの存在のリアリティが増す、と考えているのです。私たちはCGIとこま撮りの絶妙なバランスのおかげで、このファンタスティックな世界が本当にあるのだと信じてしまうんですね。